【ワークショップ:海底ケーブルの科学利用と関連技術に関する将来展望】

 2000年頃から国際的な海洋研究開発のコミュニティにおいて機運が高まった、通信用海底ケーブル技術を活用した海底リアルタイム観測システムの開発と、それらを活用した科学研究プログラムは、ほぼ10年の時を経て、各国に基本的なインフラの整備が整い、実証観測のフェーズが始まっている。現在は、整備された観測システムの最大利活用を前提とした観測計画の立案と実施が進められているところであるが、当時の青写真を振り返ると、実現を目指した多様な項目の中には、実施の目途が立ったもの、依然立たないものなど、その粒度はさまざまである。海底ケーブル科学利用に関する工学的課題を共有するために実施されてきた国際会議 "SSC : Scientific Use of Submarine Cables & Related Technologies" についても、2011年の "UT : Underwater Technology" との合同開催以降、行われていない。
 本ワークショップにおいては、国内の海底ケーブルを用いた観測システム及び観測計画の現状を総括し、また、第3期海洋基本計画等の動向も視野に入れ、次のディケイドで取り組み、推進するべき技術的課題や得られた技術の商用展開の方向について、研究者、メーカーを含む海底ケーブルコミュニティの中で意識の共有を図ることを目的とする。

開催日:2018年9月19日
資 料:

プログラム
0) 趣旨説明
1) 海底ケーブルネットワークの長期運用
2) 国土強靭化に向けた海底広域変動観測-海底ケーブルネットワークを利用した海底広域 地殻変動観測網構築に向けた取り組み-
3) 新しいケーブル式海底地震・津波観測システム - 日向灘への設置に向けて-
4) 新しい海底ケーブル敷設船の建造
5) 光海底ケーブルにおける光ファイバー伝送技術動向
6) Nomad AUV:海底ケーブルネットワークを基地とする AUV システムの実現に向けて
7)AUV ドッキングシステム技術の開発について
8) 次世代高度海底観測技術実証のための海底インフラストラクチャー
9) ケーブル式海底観測システム技術の社会実装に向けて
10) 海底ケーブルの水中セキュリティシステムへの応用例について
11) DONET 観測情報の活用 -和歌山県の事例-
13) 鉄道の早期地震警報システムにおける海底地震計データの活用と課題


主催:東京大学生産技術研究所 海中観測実装工学研究センター

協賛:東京大学地震研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人防災科学技術研究所、IEEE/OES Japan Chapter、日本船舶海洋工学会、海洋調査技術学会、海洋音響学会、海洋理工学会、東京大学海洋アライアンス、海中海底工学フォーラム