第13回海中海底工学フォーラム・ZERO


        
        日 時   2025年4月11日(金)
              研究会:13時00分〜17時00分、懇談会:17時30分〜19時30分
        場 所   東京大学生産技術研究所An棟2Fコンベンションホール「ハリコット」
              〒153-8505 目黒区駒場4-6-1  電話:03-5452-6487 地図参照
        参加費   研究会:無料、懇談会:6,000円(講演者無料)
        主 催   海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
        支 援   東京大学生産技術研究所(生研研究集会)
        協 賛   日本船舶海洋工学会、海洋調査技術学会、海洋音響学会、(公社)土木学会*、(公社)日本水産学会、IEEE/OES東京支部、MTS日本支部
              東京大学海洋アライアンス、東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター
           *「土木学会認定CPDプログラム」CPDプログラムについては、土木学会以外の団体に提出する場合には提出先団体に事前にご確認ください。
            また、CPDプログラムの認定証は現地参加の方のみに発行いたします。
参加申し込み先       東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター・杉松治美       Tel:03-5452-6487, E-mail:harumis@iis.u-tokyo.ac.jp       申し込み期間:4月4日(金)までにメールにてお申し込みください。       参加申し込み書 [Word]:ForumZero13Application.docx       参加申し込み書 [Pdf]:ForumZero13Application.pdf プログラム ForumZero13_Program.pdf       ・プログラムは都合により変更する事がありますので、御諒承ください。       ・現地参加を基本とします。       ・オンラインも準備しますが、遠方の方優先、人数制限させていただきます。また、不具合が生じる可能性もあります。予め、御諒承ください。

研究会:13:00-17:00

1)開会の挨拶  13時00分-13時01分
  東京大学生産技術研究所 巻 俊宏

  
2)徳山英一先生のこと  13時01分-13時05分
  東京大学大気海洋研究所 道田 豊

  
3)深海の暗黒に溢れる生物の光ー生態と進化の理解に向けて  13時05分-13時40分
  東北大学 別所-上原 学

[講演概要] 太陽光の届かないとされる深海には、暗闇で自ら光る生物ー発光生物ーで溢れている。発光能力を持つ生物は、ナマコやサンゴなど多様な分類群で見られ、進化の過程で100回以上も独立な起源があると考えられている。しかしながら、発光種の多くが深海に棲息しておりアクセスの困難さから、化学機構、遺伝的基盤、発光行動様式、生態的役割などの多くの側面の研究が進んでいない。演者はこれまでに、ROVを用いた生態観察や遺伝子解析などによって、生物発光の仕組みとその進化について研究を進めてきた。本講演では、深海に生息するナマコやサンゴの仲間の発光の進化研究を紹介する。さらに生物発光の起源や生態的な役割について、未解決の課題について共有し議論したい。
4)「誕生日」で決定するヤリイカの雄の繁殖戦術  13時40分-14時10分
  東京大学大気海洋研究所 細野 将汰

[講演概要] 同種同性であっても、個体ごとの形態や行動は全く異なる場合がある。特に、配偶相手をめぐる競争が起こる場合、競争に弱い個体はそれを避けるような繁殖戦術を採用することがある。ヤリイカの雄には、体が大きく、雌をめぐって他の雄と競争し、雌とペアになって繁殖する「ペア雄」と、体が小さく、競争はせずにペアの間に割り込むように繁殖する「スニーカー雄」という2タイプの繁殖戦術が存在する。冬から春にかけての繁殖期には両タイプの雄が出現するが、各個体の繁殖戦術は一体どうやって決定しているのだろうか?各個体が経験してきた環境に何か違いがあるのだろうか?本研究では、各個体の「孵化日」に焦点を当て、繁殖戦術の決定メカニズムの解明を目指した。
5)しんかいで見つけたすごい石  14時10分-14時35分
  広島大学 秋澤 紀克

[講演概要] 我々が暮らす地殻の下には、“マントル”がひろがります。一般的にマントルは人類にとって深すぎて、目にすることは叶いません。しかし、マントルで形成されるマグマが上昇して地表まで上がってくる際に、カケラとしてマントルを取り込み、我々のもとに届けてくれます。2020年から2024年にかけて実施した、しんかい6500を用いた国際調査の結果、我々の研究チームは日本海溝付近のしんかい6500mでマントルのカケラを多数発見することに成功しました。その解析結果、それらは海洋において世界最深部由来であることが判明しました。そのマントルの最新の解析結果をご紹介します。
6)AUVによるコバルトリッチクラスト調査(仮題)  14時35分-15時00分
  エネルギー・金属鉱物資源機構 栗原 健一

[講演概要] 近日中に公開いたします。

-休 憩-

7)カメラ付き自律型海中ロボットによる海底光通信ケーブルの観測技術の開発  15時15分-15時45分
  東京大学生産技術研究所 ソーントン ブレア

[講演概要] 世界のデータ通信は、総延長140万km以上の役500本の海底光ファイバー通信ケーブルに支えられている。ほとんどが大深海にあり、直径30mm未満と細く、海底に埋設されていない。毎年200~300件のケーブル障害が発生するため、耐障害性向上の戦略が求められる。本研究は、カメラ搭載の自律型海中ロボット(AUV)を用い、ケーブルの発見・追跡・定期点検を行う技術を開発している。ケーブルの設置時に、記録から深度の5~10%の位置誤差が生じ、高分解能センサーの計測幅を大きく超えるため、まずケーブルを探し、リアルタイムで自動認識し、部分的に埋まった区間があっても惑わされないための技術開発の取り組みと実海域試験の結果について紹介する。
8)水中光無線通信を使って、深海底でランダーとAUVをつなぐ  15時45分-16時15分
  海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所 篠野 雅彦

[講演概要] 着底機(ランダー)とAUVは、共に深海底環境モニタリングでよく利用される探査機である。両者はケーブルレスの自律探査機であり、サイズ感、重量感、船上での整備・運用方法等が似ている。ランダーは、海底の定点を長期間観測し、環境の連続的な時間変化を得ることに長所があり、AUVは、自律航行することで、広範囲の海底を観測し、空間的な特異点を検知することに長所がある。このため、深海底環境モニタリングでは、ランダーとAUVを組み合わせた体制が望ましい。加えて、ランダーとAUVの海底同時展開により、水中データハーベスティング(AUVによるランダー観測データの回収)も可能となる。本講演では、駿河湾の水深1,000m海域で、ランダー「江戸っ子1号」とホバリング型AUV「ほばりん」を同時展開した試験について発表する。「ほばりん」が「江戸っ子1号」に接近し、水中光無線通信で「江戸っ子1号」内部に記録された観測データをコピーし、先に海面浮上することにより、ランダーに蓄積された数GBの映像データを、船上で確認することに成功した。
9)イベントベースビジョンセンサー(EVS)を用いたプランクトン・沈降粒子センシング  16時15分-16時35分
  ソニーグループ(株)/海洋研究開発機構 高塚 進

[講演概要] 産業向けに開発された「イベントベースビジョンセンサー(EVS)」を活用し、海中を浮遊する生物・非生物粒子を高速に捉えるための「海洋粒子測定技術」を提案する。生物の動きの周期性に着目し、EVSが持つ高い時間分解能を活用してプランクトンの遊泳運動を記録する。このデータにFFT解析を適用し、周波数や速度変化を算出することで対象の特性を推定する。本技術は、採水を必要としない現場観測が可能であり、小型・低消費電力のEVSを使用することで、将来的にはフローティングドローンやICTブイへの実装を視野に入れている。また、生物粒子に加え、沈降凝集体などの非生物粒子の海中での直接観測にも取り組んでいる。
10)富士通の海洋デジタルツインにおける取組  16時35分-16時55分
  富士通(株) 江尻 革

[講演概要] 富士通では、海洋の状態をデジタル空間に再現する海洋デジタルツインの研究開発の一環で、AIやAUVを活用し、海中の生物や構造物の3次元形状データを取得する技術を開発している。本技術は、濁った海中でも対象物を識別し形状を計測できる画像鮮明化AI技術と、波や潮流の中でもAUVからの安定計測を可能にするリアルタイム計測技術から成り、カーボンニュートラルや生物多様性の保全に向けた海洋調査に際して、対象となる生物や構造物の状況を可視化し体積などを推定することができる。本講演では海洋デジタルツインの技術開発や実証実験の様子について紹介する
11)次回案内および閉会の挨拶  16時55分-17時00分
  東京大学大気海洋研究所 山口 飛鳥

12)懇談会  17時30分-19時30分
  An棟1Fアーペにて開催:参加費6,000円(講演者無料)



【開催履歴】

第12回海中海底工学フォーラム・ZERO Hybrid 詳細

開催日:2024年10月11日(金)
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
共 催:J-DESC(日本地球掘削科学コンソーシアム) 協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第11回海中海底工学フォーラム・ZERO Hybrid 詳細

開催日:2024年4月26日(金)
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第10回海中海底工学フォーラム・ZERO Hybrid 詳細

開催日:2023年10月13日(金)
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第9回海中海底工学フォーラム・ZERO Hybrid 詳細

開催日:2023年4月21日(金)
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第8回海中海底工学フォーラム・ZERO Online 詳細

開催日:2022年10月14日(金)
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第7回海中海底工学フォーラム・ZERO Online 詳細

開催日:2022年4月22日(金)
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第6回海中海底工学フォーラム・ZERO Online 詳細

開催日:2021年10月8日(金)
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第5回海中海底工学フォーラム・ZERO Online 詳細

開催日:2021年4月23日
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター他

第4回海中海底工学フォーラム・ZERO Online 詳細

開催日:2020年10月16日
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所 海中観測実装工学研究センター他

第3回海中海底工学フォーラム・ZERO [WEB会議] 詳細

開催日:2020年4月24日
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所 海中観測実装工学研究センター他

第2回海中海底工学フォーラム・ZERO 詳細

開催日:2019年10月18日
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所 海中観測実装工学研究センター他

第1回海中海底工学フォーラム・ZERO 詳細

開催日:2019年4月12日
主 催:海中海底工学フォーラム・ZERO 運営委員会
協 賛:東京大学生産技術研究所 海中観測実装工学研究センター他