自然との共生、耐震性などの安全性から、浮体構造物による海洋空間利用が広く論議されている。また、地球温暖化、異常気象など地球規模の環境変動に対する海洋の役割、海洋自然エネルギー、海底油田、メタンハイドレートなどの海洋資源開発が注目されている。このような活動を長期かつ安全に行えるため、海中ロボットなどによる海中・海底探査技術、海洋構造物の設計、運用に関わる技術の研究・開発が行われている。海洋構造物がおかれる環境は、時時刻々に変動し、構造物は台風、地震、津波など極限海洋環境に耐えなければならず、極限海洋環境における海洋構造物の挙動解析は最も重要な研究課題である。
本水槽設備では、海洋空間利用、海洋環境計測、海洋資源開発などに必要な要素技術の開発に関連する実験・観測を行う。
主な寸法
水槽棟:長さ72 m× 幅17 m× 高さ11 m
水槽本体:長さ50 m× 幅10 m× 深さ5.5 m (水深 5 m)
トリミングタンク:長さ5 m× 幅1.5 m× 深さ1.5 m (水深 1 m)
曳引台車
運転速度:0 ~2 m/sec
計測部横行幅:±2.3 m 計測部旋回幅:±180o
計測レールスパン:1.1 m 計測レール長さ:2.2 m
送風台車
最大風量:32 m3/sec 送風ノズル:幅4 m × 高さ0.8 m
送風ノズル上下移動幅:1 m
多方向造波装置
側壁での多重反射を考慮した多方向造波
造波形式:幅31cmの三角形造波板32台となるプランジャー式
造波周期:0.5 ~5 sec 最大造波波高:0.3 m (周期2sec)
潮流発生装置
最大流速:0.2 m/sec
昇降床
床面積:長さ20m× 幅10 m
昇降幅:水槽底から水面までの5 m
東京大学生産技術研究所
海中観測実装工学研究センター
林研究室